Microsoft Copilotとは業務でよく使用するWordやExcel、PowerPointなどの製品と連携し、業務の自動化・効率化を支援する生成AIツールです。Excelに入力した数字から表を自動作成したり、WordやPowerPointで作成する資料のたたき台を生成したりするなど、日常業務で幅広く活用できます。
この記事ではMicrosoft Copilotの料金や、Excel・Word・PowerPoint・OneNote・Teamsの5つのアプリと連携してできることについて解説します。
1. Microsoft Copilot(マイクロソフト コパイロット)とは
Microsoft Copilotとは、ExcelやWordなどのMicrosoft 365(旧Office)アプリに組み込まれたAIアシスタントツールです。前身はMicrosoft Edgeの拡張機能「Bing Chat」でしたが、2023年に「副操縦士」を意味するCopilotへ名称変更されました。
CopilotのAI技術でパソコン操作をサポートすることで、Microsoftアプリにおけるさまざまな作業の効率化と生産性向上を実現できます。
1-1. Copilotの種類と特徴
現在、無料版のほかに個人ユーザー向けの「Copilot Pro」とビジネス利用向けの「Copilot for Microsoft 365」が登場しています。また、スマホやタブレットにiOS/Android用アプリをインストールして使うことも可能です。
無料版では、GPT-4およびGPT-4 Turboを搭載したチャットボット機能がテキスト、音声、そして画像による質問や指示に即時回答します。AIが参照したサイトへのリンクも表示されるため、ユーザー自身が情報の正確さを確認して情報の信頼性を高められる点もポイントです。さらにドキュメントの要約や自動生成、Webページ要約、そして画像の生成や加工などもできます。
Copilot ProにはさらにMicrosoft 365アプリとの連携機能があり、ExcelやWordなどの自動操作が可能です。またCopilot ProにはGPT-4やGPT-4 Turboへの優先アクセス権があり、混雑時でも処理速度が落ちる心配はありません。加えて、機密データの暗号化などを行う商用データ保護機能もあります。
Copilot for Microsoft 365は、Teamsなどとの統合利用が可能です。Web上の情報に加えてMicrosoft 365テナント内にある社内データなども学習対象となり、より組織の状況に即した情報提供や業務自動化を実現できます。オンライン会議の内容要約や議論の要点の自動抽出などによって、チームの業務効率がより一層上がるでしょう。
1-2. Copilotの料金
Copilotは無料版を誰でも利用できますが、画像生成など一部機能の利用にはMicrosoftアカウントが必要です。また、Copilot ProおよびCopilot for Microsoft 365には以下の料金がかかります。
| Copilot Pro | 1ユーザーあたり月額$20(1か月の試用期間中は無料) |
|---|---|
| Copilot for Microsoft 365 | 1ユーザーあたり年額$360(月額換算で$30) |
なお、Copilot for Microsoft 365の購入に際しては条件を満たす法人向けプランのライセンスが別途必要です。
1-3. Copilotはいつから日本語で使える?
Copilot Proの日本語版は2024年1月15日に、Copilot for Microsoft 365の日本語版は2023年11月1日にそれぞれリリースされました。ただし、リリース当初はCopilot ProにはExcelの日本語版サポートがない、VBAに対応していないなどの課題がありました。
現在はCopilot Proも含めて日本語対応がされており、問題なく日本語で指示を出せる状態です。
2. Copilotの使い方
Copilotを活用するとビジネスシーンにおけるさまざまな業務が大幅に効率化され、生産性向上や働き方改革につながることが期待できます。以下では、MicrosoftアプリとCopilot for Microsoft 365の組み合わせによる業務効率化のアイデアについて解説します。
2-1. Excel
Excel上のCopilotには表やグラフの自動作成機能があり、レイアウト変更やデータ並べ替え機能などを駆使して直感的に見やすい図表を作れます。数式列の自動提案機能や図表同士の相関関係の分析、そして図表についての解説文作成機能もあり、関数に不慣れな人でも複雑な操作が可能です。また、既存の数値データの変化をもとに今後の数値の変化を予測することもできます。
ある程度VBAに関する知識があれば、Copilotを使って自動的にマクロを組めるのも魅力です。「このセルの値が〇〇のときに△△という内容のメッセージボックスを出すコードを書いて」というように具体的な指示を出すと、ソースコードが提案されます。提案されたコードに修正を要する場合もあるものの、複雑なコード作成の自動化によって作業効率が大幅に上がるでしょう。
2-2. Word
Word上のCopilotは、ドキュメント作成や内容の要約などを自動で行います。「会社案内の送付状を作成してほしい」といった指示や参考にしたい既存データなどを提示すると、指示に沿った文章の下書きを即時作成できます。
作成した文章の誤字脱字チェックや「もっとやわらかい表現にしてほしい」などと指示してリライトすることもでき、文書作成業務を省力化したい場合におすすめです。自動作成された文章に満足できなくても、リライトを繰り返して好みの文章に近づけられます。また、ドキュメントの情報を整理して図表にまとめられることもCopilotの特徴です。
2-3. PowerPoint
ExcelやWordと同じく、PowerPointでも特定のキーワードや参考にしたい既存データを提示してプレゼンテーションを自動作成できます。
PowerPointのプレゼンテーションにはよくイメージ画像が差し込まれますが、画像データを探すために余分な時間がかかることも少なくありません。しかしCopilotがあれば、「明るい空のイラストを差し込みたい」などと指示してすぐに画像を生成できます。もちろん、既存の画像や図表データの差し込みも可能です。その場合は画像の取得先を確認できるため、知らないうちに著作権を侵害するなどの心配もありません。
2-4. OneNote
OneNoteは紙のノート感覚で自由に使えるデジタル版ノートであり、手書き入力や他のユーザーとの共有などが可能です。OneNoteとCopilotの併用によって、書き込んだ内容の要約やToDoリスト作成などを自動化できます。グループで内容を共有したい場合は、Wordと同じように文章の一部を強調したり書式を調整したりして見やすくすることもよい方法です。
思いつくままに書いたメモや短い語句を並べただけのメモは後で見返すと内容を理解しづらく、「書いて終わり」になるケースもしばしばです。Copilotで要点をまとめたり情報の抜け漏れを補ったりすることで、メモをより活用しやすくなるでしょう。
2-5. Teams
TeamsでCopilotを用いるとWeb会議の内容が自動的にレコーディングされ、文字起こし機能による自動生成テキストが残ります。この機能によって議事録作成の手間が大幅に減ることはもちろん、途中で席を外したり発言内容を聞き逃したりしても後で確認できるため安心です。
またAIメモによって会議のトピックが見出しごとにまとめられ、会議中に出たアイデアや誰がどういう発言をしたかなどの事柄が分かりやすく整理されます。会議の内容に関して後から出てきた疑問点や今後やるべきタスクなどについても、すぐ回答してもらえます。グループでの業務はもちろんマンツーマンの打ち合わせやインタビューなどにも活用でき、リモートワークにも便利です。
まとめ
Microsoft Copilotは、業務効率化と生産性の向上を支援する目的でMicrosoft 365アプリに組み込まれたAIアシスタントです。無料版では、GPT-4を活用したチャットボット機能があり、テキスト、音声、画像を介した対話が可能です。さらに、ドキュメントの要約や画像の生成なども行えます。
一方、有料版であるCopilot ProやCopilot for Microsoft 365では、Microsoft 365アプリとの連携が強化され、Excelを使った表作成やWord文章の自動生成ができます。また、PowerPointによるプレゼンのたたき台の生成や、OneNoteに書き込んだ内容の要約・修正、Teams会議の自動文字起こし等も可能です。



