米国森永製菓株式会社:グローバルERP導入事例

カテゴリー

 

・業種: 製造系

・拠点: 米国

 

導入ソリューション

 

Microsoft Dynamics NAV

 

背景

 

ハイチュウの大ブームで業務拡大する一方で、本当の売れ筋が何なのか把握が難しかった

 

今アメリカでは、日本のおやつの人気が急上昇している。なかでも森永製菓のソフトキャンディー「ハイチュウ」は、アメリカでも一大ブームとなっているほどだ。契機は、野球のプロ球団で、日本人選手がチームメイトにプレゼントしたこと。自然にプロスポーツの選手たちが嗜好しはじめ、認知度が広がっていった。現在、MLB数チームとパートナーシップ契約を結んでいる。森永製菓は、グローバル事業展開強化に注力し、海外での現地生産、販売網の構築を進めている。2008年8月には米国森永製菓(営業拠点)、2013年には森永アメリカフーズ(製造拠点)を設立した。しかしブームになっているとはいえ、アメリカで の販売活動にはさまざまな課題が顕在化していた。

「特に解決したかった大きな課題はコスト管理と在庫管理でした」と、CFOの中戸川氏は語る。例えば、諸掛かり。日本よりも、輸送費や各種手数料など、仕入れ原価以外のコスト計算が複雑だった。日本では定期的な物流を定額料金として扱い、変動しないことも多い。ところがアメリカでは、トラック、船などさまざまなルートを活用するうえ、料金が異なる。また海外から輸入するものについては、為替変動も加味する必要がある。「日本同様より厳格に、商品ごとのコストを明確にする必要がありました。そうしないと一見売れ筋と見なしていた商品が実は利益が出ていなかったということもありえます。特にハイチュウは扱い量が多いだけに、原価を正確に算出する必要があります。コスト、在庫も踏まえた売上分析によって真の売れ筋が見えてくるのです。」

2つめの課題は、決算のスピードアップだ。日本の本社では、グローバルでの連結決算を行っている。そのためにアメリカ法人の決算データ提出のスピードアップが求められていた。売掛金などを管理する Office Administratorの吉田氏は、「ハイチュウのブームもあって、アメリカでの売上が大きく伸びていました。しかしアメリカでの売上が伸びるほど、連結決算への影響も大きくなります。日本からは、 もっと早く提出してほしいという要望が強くなっていました。それには ERPの刷新が必要でした」と当時の状況を語る。また、属人化の問題も顕在化していた。アメリカでは少人数で多種多様な業務をこなさざるをえないため、一人ひとりの業務量、業務範囲が多くなっていた。属人化が進んだ結果として、退職時や人事異動の際の引き継ぎの業務負担も高まっていた。

そのような中、Sales managerの小林氏は、「以前のERPでは機能が不足していたため、Excelによる資料作成も多かった。各自がExcelで資料を作ることは悪いことではなかったが、用語の使い方や資料のまとめ方、そして仕事の進め方に差異が生じます。総合的には、同じツールを使い、同じ用語を用いて情報共有し、仕事の進め方を標準化しなくてはいけません。この面でも、ERPの刷新が必要でした」と語る。

 

導入経緯

 

日本企業の良さを持つSYSCOM USAと、アメリカで一期一会のプロジェクトを遂行

 

ERP選定にあたっては主に、原価のコスト管理、在庫管理の改善、および管理会計の機能について検討され、「Microsoft Dynamics NAV」が選定された。次にERPのシステムを構築できるベンダを探し た。このとき米国森永製菓が声をかけたのが、アメリカに本社を置く日系SIerのSYSCOM USAである。

中戸川氏は「SYSCOM USAのコンサルタントが、ERP導入のポイントや対策を深く理解しており、豊富な経験やノウハウをもとに積極的に提案してくれました。提案プロセスや提案書の出来も他社を大きく凌いでいました」とその時の選定理由を語る。

SYSCOM USAのサービスについても、「アプリケーション、インフラ(クラウド)、サポートまでをオールインワンで提供できる。ERPはミッションクリティカルなシステムなので、安心して長期的に任せられる」と評価する。また「SYSCOM USAは、アメリカの企業でありながら、日本企業の良さを持っていました。アメリカではビジネスライクに仕事を進める企業が多いのですが、SYSCOM USAのスタッフ→コンサルタントは普通に、日本企業らしく接してくれたこともあり、これもスムーズに進められた要因のひとつです」と振り返る。システム開発の過程で検討事項が発生した際も、SYSCOM USAのコンサルタントが、優先事項や工数から、現実的な解決策を提案してくれたという。今できる現実的な解決策だけでなく、次のフェーズでどうするかという将来ビジョンも示してくれたことを高く評価している。「一つひとつの仕事に真剣に取り組む姿勢に、信頼を感じました。茶道の世界では一期一会という言葉があります。目の前にいるお客様とのお茶を嗜むひとときを一生に一度のこととして、真摯にお茶を入れるという心構えを指す言葉です。SYSCOM USAはそのような気持ちで、このプロジェクトに取り組んでくれたと感謝しています」と中戸川氏は述懐する。

 

導入成果

 

正確な在庫、原価、売上のデータがERPに蓄積。将来はSFAやBIの連携を視野に

 

米国森永製菓では、SYSCOM USAによるMicrosoft Dynamics NAVの構築によって、業務拡大に向けた在庫管理、コスト管理が実現できた。小林氏は「拠点ごとの在庫管理が可能になり、洋上在庫、直送 品、拠点在庫をクリアに区別して、正確な数字が把握できるようになりました。事業の収支を正確に把握するのに大きく貢献しています」と在庫管理担当者としての感触を語る。

またツールの統一によって属人化の払拭と、決算処理短縮化の見通しが立てられた。例えば、スタッフ全員がMicrosoft Dynamics NAVで在庫やコストに関する情報を入力するようになり、業務の進め方、資料の作り方、用語の使い方などが標準化された。これはSYSCOM USAが、操作するスタッフの方々へ使いやすさを重視したマニュアルを提供したことによる。決算業務の短縮化は、今のところ一日未満に留まっているが、将来的には数日で終わるように改善を進めて行く。

さらに将来の業務拡大への足掛かりができた点も高く評価している。今後は、SFA(営業支援ツール)やB(Iビジネスインテリジェント)との連携も進める構想があると語る。ERPに蓄積した販売系データをSFAと連携すれば、売上拡大に活かせる。また、購買系データをBIで分析すれば、各社の利益管理、地域別の利益分析、さらには小売店側の売上データと連携をさせることにより事業運営の改善にも活用ができると思っている。中戸川氏は「正確なデータがいつでもすぐに見られる。それはマーケティング戦略立案、これからの業務改善において大いに役立ちます。ERP刷新によって将来のビジネス発展への足がかりが強化された」と将来への抱負を語った。

クライアント情報

 

米国森永製菓株式会社

所在地:
18552 MacArthur Blvd., Suite 360 Irvine, CA 92612

http://www.morinaga-america.com/

世界に通じる味わいと技術的強みを持つ「ハイチュウ」を世界戦略商品と位置づけ、世界各地のお客様にお届けしています。米国森永製菓では、ロサンゼルスとサンフランシスコを中心とする西海岸エリアから「ハイチュウ」の販売を開始し、徐々にエリアを広げています。現在はニューヨークを含む東海岸まで展開エリアを拡大しています。(2016年4月時点)