Daiso USA LLC:Dynamics GPからDynamics 365 Finance & Supply Chain Managementへの移行事例

1. 事例概要Overview

クライアント
Daiso USA LLC
クライアントの業種
日用品・雑貨小売業
導入したサービス
Dynamics GPからDynamics 365 Finance & Supply Chain Managementへの移行

2. 導入背景Background

全米各地で多数の店舗を展開するDaiso USA LLC(以下、Daiso USA)は、更なる店舗数・取扱商品数の拡大に伴い、会計・在庫・購買を含む基幹業務の高度化が求められていました。従来利用していたDynamics GPでは、店舗・法人の増加に伴い会計・在庫管理の運用負荷が増大し、外部システムとの連携や原価計算に多くの手作業・Excel作業が発生していました。

また、複数法人のデータを統合した単一PLや管理会計レポートの作成が困難で、将来のさらなる事業拡大(店舗数の増加)を見据え、より拡張性の高いERP基盤が必要でした。Dynamics GPをそのまま使用することも可能でしたが、事業拡大に向けてのシステム改革・戦略のためのアップグレードを目的として、Dynamics 365 Finance & SCMへの移行を決断しました。

3. 導入サービスについてImplemented Solution

Dynamics 365 Finance & Supply Chain Managementを中核に、会計、販売・購買管理、在庫管理を統合した基幹システムを構築しました。旧基幹システムであるDynamics GPから約1.5年をかけて全面移行を実施し、POS、WMS、購買システム、在庫管理システムとのファイル・API連携にはAzure Data Factoryを活用。外部システムとの自動データ連携を実現し、Daiso USAの複数拠点にまたがる業務基盤を統合しました。

4. 導入時の課題と解決アプローチImplementation Challenges & Solutions

プロジェクト推進において、以下の4つの主要課題に対し、SYSCOMはDynamics 365の標準機能を最大限活用し、カスタマイズを外部連携部分に限定することで導入費用・期間の抑制と保守運用の効率化を実現しました。

■導入時の課題
1. クライアントからの要請によるERP本体への過度なカスタマイズを避ける「Fit to Standard」方針の徹底
2. POS、購買、在庫管理など、複数の外部システムとの複雑なデータ連携の実現
3. 大量データ処理に伴うクラウド環境特有のパフォーマンス課題への対応
4. 旧システムを単純に踏襲するのではなく、業務プロセスそのものを見直す必要性

■解決アプローチ
・業務プロセス再設計:Fit & Gap分析やCRP(Conference Room Pilot)を通じて業務プロセスをゼロベースで再設計
・標準機能の活用:Dynamics 365の標準機能を最大限活用し、カスタマイズを最小限に抑制
・データ連携の自動化:Azure Data FactoryやData Management機能を活用してファイル・API連携の自動化を達成
・段階的な移行:一括移行ではなく、段階的な移行アプローチによりリスクを最小化

5. 導入時の工夫Implementation Strategy

SYSCOMは、単なるシステム移行ではなく「将来を見据えた業務基盤づくり」を重視したアプローチを採用しました。特に、必要に応じてオンサイト対応を行い、日本側システム担当者との密な連携を実施したことが成功の鍵となりました。

具体的には、POS売上データの連動テストが必要な際にはCaliforniaにあるDaiso USAの担当者のもとへ訪問し、仕様確定とデバッグの早期化を図りました。また、将来的な店舗増加やPower BI・Power Automate活用を見据えた拡張性の高いシステム設計を行い、長期的な事業成長に対応できる基盤を構築しました。

さらに、ユーザーはアメリカ人、意思決定権のある方は日本人という環境において、SYSCOMのバイリンガルサポートが円滑なコミュニケーションと迅速な意思決定を可能にしました。コンサルタントがリードしながらD365の標準機能を使った米国での標準オペレーションを確立し、ERPの業務知識だけでなく、ADF等の周辺機能やコーディングの知識を有するメンバーが参画したことで、開発機能が外部連動周辺機能に偏っていた課題にも対応しました。

6. 導入成果Results

1.5年の導入期間を経て、Daiso USAは顕著なビジネス成果を実現しました。

導入成果:①会計・在庫・購買データの一元管理でデータの分断を解消 ②外部データ取込・原価計算の自動化で業務効率が向上 ③単一PL・管理会計レポートでグループ全体を可視化 ④在庫数量・原価の可視化で意思決定を高速化 ⑤スケーラブルなERP基盤で将来の成長に向けた土台を整備

現在もSYSCOMが保守サポートを継続しており、安定的なシステム運用が実現しています。さらに、米国で構築したスキームと培った知見を他リージョンでも活用する形でメンバー間で共有を行った結果、他マーケットでもSYSCOMがERP刷新を対応する展開につながっています。

7. プロジェクトメンバー紹介Member Introduction

統括リード:1名(英)
バイリンガルプログラムマネージャー:1名(日英)
バイリンガルプロジェクトマネージャー:2名(日英)
プロジェクトマネージャー:2名(英)
ITインフラエンジニア:3名(英)
バイリンガルインフラエンジニア:4名(日英)

8. SYSCOMへの感想Impressions of SYSCOM

クライアントの声

本プロジェクトにおいて、SYSCOMを評価したポイントは以下のとおりです。

・Dynamics 365 Finance & SCMにおける豊富な導入実績と、小売業・多拠点・複数法人に対応したグローバルERP導入ノウハウを保有していること
・日本語・英語のバイリンガル対応により日米間のコミュニケーションが円滑で、ユーザー側(アメリカ人)と意思決定者側(日本人)の両方に適切、かつ、迅速に対応できる体制であること
・ERP業務知識に加え、外部システム連携(API・ファイル・Azure)まで含めた包括的な技術力を保有していること
・システム導入にとどまらず、事業成長を見据えた業務設計と長期的な伴走支援の姿勢があること
・「Fit to Standard」方針を徹底し、カスタマイズを外部連携部分に限定することで、導入費用・期間の抑制と保守運用の効率化を実現するアプローチであること

SYSCOMには単なるシステムインテグレーターではなく、ビジネスパートナーとしてプロジェクトに参画していただきました。

9. まとめConclusion

SYSCOMは、お客様の課題や目的に寄り添いながら、最適なIT・デジタルソリューションを提供する総合ITソリューションプロバイダーです。ERP刷新においては、課題整理やシステム選定といったコンサルテーションフェーズから、導入、運用・保守までを一貫して支援しています。

今回のDaiso USA LLCの事例においても、Dynamics GPからDynamics 365への移行にあたり、エンジニア、プロジェクトマネージャー、営業が連携し、きめ細やかなコミュニケーションとサポート体制でプロジェクトを推進しました。業務理解を前提とした進め方により、移行に伴うリスクや負担を抑えながら、将来を見据えた基幹システム刷新を実現しています。

SYSCOMは、ERPやCRMの導入・移行にとどまらず、Microsoft CopilotやPower Platformを活用した業務自動化、データ活用、AIによる業務高度化など、企業の成長段階に応じた幅広い提案と継続的なサポートを行っています。基幹システム刷新や業務改善に課題をお持ちの方は、ぜひSYSCOMにご相談ください。

お問い合わせはこちら