1. 事例概要Overview
- クライアントの業種
- 水処理薬剤の製造・販売
- 導入したサービス
- Dynamics 365 Finance & Supply Chain Management
2. 導入背景Background
高分子凝集剤のグローバルリーダーであり、水処理薬剤の製造・販売を担うSNFハイモ株式会社では、基幹システムにSAPを導入していました。一方で、サーバーを管理しているデータセンターの変更や保守切れへの対応といった課題も顕在化しており、このままSAPの利用を継続するか、新たなERPパッケージにより基幹システムを刷新するかを検討されていました。
そのような中、製造業への知見・実績があるSYSCOMから新たな基盤としてSaaSでの提供が可能な「Microsoft Dynamics 365 Finance & Supply Chain Management」をご提案させていただき、ご採用いただくこととなりました。
3. 導入サービスについてImplemented Solution
SaaSでの提供となるDynamics 365では、ハイモ社においてサーバーを管理する必要がなく、SAPで利用しているデータセンターと切り離して利用できます。SAPでアドオン開発にて対応していた機能については、その機能を精査しつつ、必要な機能についてはDynamics 365においてアドオン開発にて実現しました。
クライアントの声

部長 尾崎 俊 様
SAPを継続するか、別のERPに移行するかを検討するにあたり、以前から認識していたDynamics 365を中心に情報収集を行っていました。SAPの継続可否や将来の運用・コスト面を踏まえ、グローバルで利用できるERPという観点から他製品も比較検討をした結果、Dynamics 365 Finance & Supply Chain Managementを適切な選択肢として評価しました。
Dynamics 365はSaaS型で初期投資を抑えられる点に加え、運用コストの削減が期待できること、Microsoft製品との高い親和性や将来性を備えている点が評価ポイントとなりました。グローバルで利用できる基幹システムとして総合的に判断し、導入を決定しました。

次長 椎谷 智晃 様
SAPからDynamics 365へ移行するにあたり、オンプレミスからクラウドに切り替わることで、通信環境や操作性の違いに対する懸念はありました。しかし、これらはクラウド型システムの特性として事前に理解しており、運用面で大きな支障になるものではないと判断しました。
結果として、ユーザーも徐々に新しい操作環境に慣れ、円滑に利用できています。
4. 導入前の課題Known Issues
要件定義実施前に課題整理フェーズを実施し、現行システムの各業務の課題を整理したうえで実現可否を検討しました。下記3点をお客様からプロジェクトの目的として共有いただいたことで、SYSCOM・お客様一体となって目標の達成に邁進できました。
<プロジェクトの目標>
①コストの削減
②機能の改善
③将来性の確保
クライアントの声
コスト面では、SAPの保守切れや将来的なバージョンアップ対応に伴い、開発費・運用費を含めた中長期的なコスト増加が大きな課題となっていました。また機能面においては、既存SAP環境には満足していたものの、将来的な拡張性や最新技術との連携という観点では制約がありました。加えて、オンプレミス環境を維持し続けるためのサーバーやデータセンター関連コストの増大も懸念材料でした。
これらを踏まえ、将来にわたって持続可能な基幹システムへの移行が求められていました。(尾崎様)
5. 導入時の工夫Implementation Strategy
クライアントに寄り添った進め方が重要であると考え、下記を意識しながら導入を進めました。
①実装前の認識の不一致を防ぐ
業務担当者との対話を重ね、Dynamics 365標準機能とのギャップや暗黙ルールを丁寧に整理
②完成形をイメージしやすい形で共有
Dynamics 365の標準画面キャプチャや、業務フロー図を用いて可視化し、説明
③手戻りや不安の最小化
テンプレートやサンプルの提示により具体的なイメージを共有しながら開発を推進
リスクや判断理由を透明性高く説明し、相談しやすい関係性を築くことで、潜在的な課題にも早期に気付けるよう対応しました。
クライアントの声
SYSCOMのプロジェクトでは、業務内容を丁寧にヒアリングしたうえで、Dynamics 365の標準機能との差分を分かりやすく整理・説明してもらえた点が印象的でした。画面イメージや業務フローを資料として可視化し、完成形を事前に共有してもらえたことで、SAPからの変更点についても早い段階で理解することができました。
また、マスター設定についてはExcelテンプレートを活用するなど、移行作業をスムーズに進める工夫がされており、ユーザー側の不安や手戻りを最小限に抑えながらプロジェクトを進められました。(椎谷様)
6. 導入成果Results

クライアントの声
定性的な面では、操作性と使い勝手の向上が大きな成果として挙げられます。Dynamics 365では、画面に表示されているデータをほぼすべてExcelへエクスポートできるため、これまでSAPでは開発が必要だったデータ抽出作業が容易になりました。この点は、ユーザーからも特に評価されているポイントです。また、Microsoft製品との親和性の高さから、将来的にはCopilotやPower Platformの活用によるさらなる業務効率化にも期待が広がっています。(椎谷様)
定量的な数値として明確に示せる段階ではありませんが、SAPと比較して基幹システムの運用コストは大きく削減できていると実感しています。特に、オンプレミス環境を維持するためのサーバーやデータセンター関連費用が不要になり、ランニングコストの面で効果を実感しています。一方で、導入からまだ日が浅いため、具体的な削減率については今後の運用を通じて評価していく予定です。(尾崎様)
7. プロジェクトメンバー紹介Member Introduction
プロジェクト責任者:1名
プロジェクトマネージャー:1名
ファンクショナルコンサルタント:5名
テクニカルコンサルタント:4名
アカウントエグゼクティブ:2名
8. SYSCOMを選んだ理由Why SYSCOM was Selected
クライアントの声
ERP刷新にあたっては、SYSCOM以外にも複数の大手SIerを比較検討しました。その中で最終的にSYSCOMを選定した理由は、SAPとDynamics 365の両方の経験者が在籍していたことによる安心感です。業務内容を深く理解したうえでの提案であったことに加え、SAP継続時の課題やDynamics 365へ移行した場合の将来性・コスト面についても、現実的で納得感のある説明を受けることができました。結果として、業務適合性とコスト、将来性のバランスが最も取れていたSYSCOMへの依頼を決めました。(椎谷様)
今後は、Dynamics 365の安定運用を継続的に支援してもらうことに加え、Microsoftのエコシステムを活用したさらなる業務改善に期待しています。特に、Copilotを活用した入力支援や業務自動化など、現場の業務効率を高める提案を今後も積極的に行ってもらいたいと考えています。(尾崎様)
9. 今後の展望Future Prospects
クライアントの声
AIについて、将来的に業務効率を高める有効な手段として期待しています。特に、Dynamics 365に組み込まれているCopilotには、入力内容のチェックや発注・受注業務の補助など、データの正確性向上や業務負荷の軽減につながる可能性を感じています。
一方で、現在の業務では紙やFAXを起点とするプロセスも残っており、AIを本格的に活用するためには、その前段となる業務やデータの整理が重要だと考えています。まずは基盤を整えたうえで、段階的にAI活用を進めていきたいと考えています。(尾崎様)
10. まとめConclusion
SYSCOMは、お客様の課題や目的に寄り添いながら、最適なIT・デジタルソリューションを提供する総合ITソリューションプロバイダーです。ERP刷新においては、課題整理やシステム選定といったコンサルテーションフェーズから、導入、運用・保守までを一貫して支援しています。
今回の事例においても、SAPからDynamics 365への移行にあたり、クライアントが不安を感じることのないよう、エンジニア、プロジェクトマネージャー、営業が連携し、きめ細やかなコミュニケーションとサポート体制でプロジェクトを推進しました。業務理解を前提とした進め方により、移行に伴うリスクや負担を抑えながら、将来を見据えた基幹システム刷新を実現しています。
SYSCOMは、ERPやCRMの導入・移行にとどまらず、Microsoft CopilotやPower Platformを活用した業務自動化、データ活用、AIによる業務高度化など、企業の成長段階に応じた幅広い提案と継続的なサポートを行っています。基幹システム刷新や業務改善に課題をお持ちの方は、ぜひSYSCOMにご相談ください。
