ERPとは何か分かりやすく解説|導入の流れやメリットも紹介

ERPとは何か分かりやすく解説|導入の流れやメリットも紹介

ERP (Enterprise Resource Planning) とは直訳すると「企業資源計画」と呼ばれる、企業が持つリソースを一元管理し、最適化する手法です。人事・経理・総務・営業活動などでそれぞれ別のシステムを使うのではなく、一元管理可能なシステムを使えば、部分最適を脱却し、企業全体を効率化できます。

この記事ではERPという言葉を初めて聞いた方、詳しく知らない方に向けて、概要や定義、基幹システムとの違い、導入するメリット・デメリットを解説します。また、導入の流れについても掲載しているため、ERPの導入を考えている方はぜひご一読ください。

1.ERPとは?概要や定義を解説|日本とアメリカの定義の違い

ERPとは「Enterprise Resource Planning」の略称で、企業が持つ資金・人事・生産・物流などのさまざまなリソースを一元管理し、最適化する手法です。日本語に直訳すると、「企業資源計画」です。また、広義には企業のリソースを最適化する目的で導入されるソフトウェアパッケージを指す場合もあります。

ERPは企業の資源を有効活用し、生産性を向上させることを目的として、アメリカで開発されました。アメリカでは金融や医療、製造業などの分野で厳しい規制が設けられているため、市場においても法的要件を満たすERPが求められます。また、多国籍企業が多いことから、異なる国の法律や通貨へのサポートが重視される点も特徴です。

日本にもアメリカのERPが導入されましたが、国内の商慣習に合致しなかったためすぐに普及しなかった歴史があります。現在普及が進みつつある日本向けのERPにおいては、法規や会計基準が日本独自の要件を満たしているかが重視されます。また、日本企業に特徴的な、複雑な組織構造や業務プロセス効率化への対応も必要不可欠です。

1-1.ERPの特徴|ERPパッケージと基幹システムの違い

ERPは、企業内のさまざまな部門にまたがる情報を統合し、データの一貫性と透明性を保ちます。財務管理や人事管理、生産・在庫管理といった幅広い機能がモジュールとして組み込まれており、自社に適した組み合わせを選択できるのが特徴です。企業内の業務プロセスを自動化・標準化して作業効率の改善に貢献するほか、迅速な情報処理によって素早い意思決定もサポートしてくれます。

ERPパッケージと似たシステムとしては、基幹システムが挙げられます。基幹システムは、人事や財務会計といった、企業の基幹業務を管理するシステムです。ERPパッケージは企業の経営資源を統合管理するのに対し、基幹システムは基幹業務の種類ごとに独立したシステムを使って、業務ごとに効率化を目指します。

基幹システムでは、部門間でやり取りする際にシステム同士の連携が必要です。一方、統合管理システムであるERPパッケージでは、部門間の情報共有がスムーズに実現できます。

1-2.ERPパッケージの2つの種類

ERPパッケージには、クラウド型とオンプレミス型の2つのタイプが存在します。それぞれの特徴は、以下の通りです。

・クラウド型

ベンダーの提供するクラウド環境上で構築されたERPパッケージであり、スピーディに導入できるのが特徴です。ハードウェアや回線の準備が必要ないため、初期費用を抑えられます。ベンダー主体の運用であり、保守管理のための人材や費用がかからない点もメリットです。ただし、定額料金での支払いでランニングコストがかかる点や、カスタマイズ性が高くない点に注意が必要です。

・オンプレミス型

自社で運用するタイプのERPパッケージです。ハードウェアや回線の用意などを自社で行う必要があるため、初期コストや手間がかかります。導入後の運用保守も自社管理となるため、人材確保や運用のためのコストも必要です。開発自由度が高く、導入時にシステムを自社に合わせてカスタマイズできる点がメリットです。

なお、現在企業に導入されているERPパッケージの主流はクラウド型です。オンプレミス型のERPパッケージは、クラウド型では対応が難しい特殊な要件の場合のみ導入される傾向があります。

2.ERPパッケージを導入するメリットとデメリット

ERPの導入は、経営の意思決定に役立ち、企業活動の最適化につながるさまざまなメリットをもたらします。ただし、デメリットになりうる部分もゼロではありません。ERPパッケージを導入する具体的なメリットとデメリットをそれぞれ解説します。

2-1.ERPパッケージを導入するメリット

ERPパッケージを導入するメリットとして、以下の4点を紹介します。

内部統制(ガバナンス)を強化できる
法整備が進んで企業の透明性が重視されるようになり、内部統制のためにERPパッケージを導入する企業が増えました。

受注・生産、販売活動などの情報を一元管理することで組織の透明性が高まり、内部統制の強化や監査の容易化が実現できるのがメリットです。データの持ち出しや意図しない流出の防止にも役立ちます。

リアルタイムに自社の現状を確認できる
ERPでは売上や利益、生産コストなどの財務状況から人事情報まで、自社の現状をリアルタイムでチェックできます。

情報把握やデータ分析にかかる時間を短縮できるため、業務効率化につながるだけではなく、経営方針の見直しや事業判断などの重要な意思決定が迅速に行えるのも大きな利点です。

国内外の拠点に対応できる
日本企業の中には、国内外で活動している企業もあります。日本独自の基準に加え、グローバルスタンダードに対応したERP(グローバルERP)を選べば、海外拠点におけるビジネス経営の支援ツールとしても活用可能です。
セキュリティが高まる
複数システムで情報を管理する場合は、システムごとにセキュリティ対策が必要になるため、リスクや負担が増えてしまいます。ERPでは、企業データを統合することでリスクへの対策も一括で行いやすくなり、セキュリティを強化できるのがメリットです。

2-2.ERPパッケージを導入するデメリット

ERPパッケージを導入するデメリットとして、次の2点を解説します。

導入コストがかかる
ERPの導入には、サーバーの構築費用やソフトウェアの購入費用といった、さまざまなコストがかかるのがデメリットです。初期費用に加え、月額料金や保守費用といったランニングコスト、追加カスタマイズ費用などが必要になるケースもあります。

導入目的や自社に必要な機能などを明確にした上で、複数のERPを比較して費用対効果を検証するのが大切です。

導入後に社員教育が必要になる
ERPを導入して業務効率化を目指すには、社員への周知や教育が欠かせません。既存システムからスムーズに移行できるよう、事前にERPの導入目的や得られるメリットを丁寧に説明し、理解してもらうのが重要です。

また、企業データを集約するERPシステムは、サイバー攻撃の標的になる可能性が高い部分でもあります。大切な情報を保護するために、セキュリティ対策に関する社内教育が必要です。

3.ERPパッケージの導入の流れ

ERPパッケージの導入は、次のフローに沿って、計画的に推進しましょう。

1導入目的を明確にする
自社が抱える課題や必要な機能などを洗い出し、導入目的を明確にします。自社に適したERPを選ぶために重要なステップであるため、1か月以上の十分な期間をかけて検討するのが大切です。
2ベンダーを選定する
ステップ1で設定した目的をもとに、ERPベンダーを選定します。機能や長期的な費用対効果などについて、複数の製品を比較検討してみましょう。パンフレットを取り寄せたり、無料お試し版で使用感を確かめたりするのもおすすめです。
3要件定義を行う
ベンダーを選定したら、要件定義を行い、自社に必要な機能の追加やカスタマイズを提案します。ERP導入後の達成目標についても、数値で明確に設定しておきましょう。
4社員教育を始める
ERPを安全かつ効果的に活用するためには、必要な知識や技術を共有する社員教育が必要です。社内マニュアルの作成・共有、トレーニング研修の実施などを通じて、正しい使い方やセキュリティ面における注意点を周知します。
5運用を開始する
上記の手順で準備を整えたら、実際にERP運用を開始します。移行データが正しく反映されているか、システムに不具合がないかなどを細かくチェックし、問題があれば適宜サポートを活用しながら安定的な運用を目指しましょう。

まとめ

ERP(Enterprise Resource Planning)は企業が持つリソースを一元管理する手法であり、広義には手法を実現させるためのソフトウェアのことも指す言葉です。ERPを実現するソフトウェアはERPパッケージとも呼ばれ、企業内のさまざまな部門にまたがる情報を統合して業務プロセスを自動化・標準化する機能を持ちます。

ERPパッケージにはクラウド型とオンプレミス型の2種類があり、多くの場合は導入コストが低く保守管理が不要なクラウド型のERPパッケージが導入されます。

ERPパッケージの中でも国内外の拠点でグローバルに利用できる利便性が高い製品が、Microsoftが提供するクラウド型ERPのDynamics 365です。日本企業の多くが利用しているMicrosoft社の製品であるため信頼性が高く、ExcelやWord、PowerPointといったほかのMicrosoft社製品と連携できる点がメリットです。

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